HSPだと自覚を持っている方で、転職について悩まれている方が多いと思います。
職場環境にうまく馴染めず、転職を繰り返してしまうHSPさんは珍しくありません。
この記事の著者である私も、社会人5年目までで計3回の転職をしました。転職回数が多かったゆえに、転職活動でうまく成果が出なかったこともありますが、なんとか自分が働きやすいと思えるリモート中心の会社に転職ができました。
今回の記事では、HSPさんが転職を繰り返す理由と、転職すべきではないタイミング、転職前に考えるべきことを紹介します。
記事を参考にしてもらえば、今転職をするべきかどうかが明確になるでしょう。
HSPさんの転職回数が多くなりがちな理由3つ
HSPさんの気質的に、職場で働きづらさを感じてしまいやすい傾向にあります。
そもそもどのような理由で働きづらさを感じてしまうのか説明します。
人間関係に気を遣う
HSPさんは職場の同僚や上司など、周りの人間関係に気を遣いがちです。
少しでも職場の人と合わなかったり、何か人間関係で問題があったりすると耐えづらくなり、これをきっかけに転職を考える人が多いです。
組織の中にはさまざまなタイプの人間がいるため、どうしても自分とは合わなかったり、やりづらいと感じてしまう人とも仕事で関係を持たないとならなくなります。
非HSPさんが自分と合わない人と接する場合、自分の主張を述べたり、仕事だと割り切って接する方が多いです。しかし、HSPさんは「相手にどう思われたらどうしよう」「仕事中居心地が悪くて耐えられない」となり、環境を丸ごと変えたいという発想になりがちです。
参考:HSPさんが人間関係に疲れがちな理由と効果的な対処法6選
職場環境が落ち着かない
職場環境のせいで仕事に集中できなかったり、不快感を感じてしまったりなどの理由で転職を考えるHSPさんもいます。
HSPさんは五感が鋭いという特性があり、音や光、においなどに敏感に反応してしまいます。
例えば人が多い職場だと、その分刺激を受けやすいので、仕事への集中力が下がってしまうHSPさんも多いです。
また、怒鳴り声やヒソヒソ話の声なども聞いてて我慢ができなくなる方も多く、その居心地の悪さから転職を考える人もいます。
仕事内容が心理的に負担に感じる
仕事内容が自分には合わないと考えて転職を決意するケースも多いです。
よくあるケースが、ノルマがある営業職です。ノルマや目標などがあるとプレッシャーに感じて自分のペースで仕事ができなくなりがちです。
参考:経験者が語る!HSPに営業職は向いていない?HSPでも成果を出す方法を紹介
「自分のせいで目標達成できなければどうしよう」「仕事ができないと思われてしまうのが怖い」などと思い込み、過大なストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
また、HSPさんは物事を深く処理する傾向にあるため、業務の進みが遅くなることもあります。
早く業務を終わらせるよう急かされたり、自分の業務の遅さで周りに迷惑がかかってしまったりなどのプレッシャーも、HSPさんにとっては大きなストレスになりがちです。
参考:HSPさんが向いている職・不向きな職とは?転職する上での重要なことも紹介
転職回数の多さで転職活動がしづらくなる可能性あり
転職回数が多いと、転職活動で不利になるケースがあります。
一般的には、転職経験が20代で3回以上、30代で5回以上あれば多いと判断される傾向にあります。
参考:何回までOK? 転職回数が多くても「内定」を勝ち取る方法 | 転職ノウハウ | 転職・求人情報サイトのマイナビ転職
転職回数が多いと、書類選考で落ちてしまう会社も中にはあります。
ただ、回数が多いからといって転職ができないわけではありません。正当な退職理由があり、転職先とマッチしていれば転職できる可能性も十分にあります。
何も考えずに転職を繰り返すのは良くないことですが、転職回数が多いからといって良い転職先が見つからないというわけではありません。
HSPさんが転職すべきではないタイミング
HSPさんの特性上、職場の人間関係や環境、業務内容に負担を感じやすい傾向にあります。
もちろん心理的に感じる負担が大きすぎるなどのやむを得ない状態であれば、転職をするのが良いでしょう。
しかし、職場や仕事に対して、少し負担に感じただけで転職を決めてしまうのは危険です。
HSPさんでも転職すべきではないタイミングと、その理由について説明します。
人間関係が辛い
退職の第一の理由に「人間関係」を挙げるのは危険です。その理由は3つあります。
- 転職先では人間関係に恵まれるとは限らない
- 面接でネガティブな印象を持たれてしまう
- 今の人間関係が永遠に続くわけではない
転職をするからといって、働く人を選べるわけではありません。面接で会った人が良かったとしても、その人以外が良いとは限りませんし、入社したタイミングで面接の時と印象が違ったという可能性も十分にあります。
また退職の理由が「人間関係が辛い」だと、「自社でもうまくいかなかったらすぐ辞めそう」「あなた自身にも問題があったのでは」などとネガティブな印象を持たれる可能性もあります。
人間関係が辛くなったら、「今の人間関係は永遠に続くわけではない」ことを念頭におきましょう。組織にいると、時間の経過とともに入れ替わりが起きます。
苦手な人がいたとしても、その人が辞めたり、お互いどちらかが部署異動したりなどで、関わらなくなるタイミングも出てくるでしょう。
そのため、一時的で且つコントロールしようが無い「人間関係」だけを理由に転職を考えるのは避けましょう。
悩みを職場の誰にも相談をしていない
悩みを誰にも相談できずにそのまま退職をしてしまうのはもったいないことです。
HSPさんは周りの目を気にしてしまいがちなので、「こんなこと相談していいのかな」と思って相談できずにいるケースがあります。
しかし、本当に困っているのであれば、解決をするために勇気を出して相談をしてみましょう。
退職理由に職場や業務のネガティブなことを伝えた場合、「それを解決するために何かアクションはしたのか」面接官から質問される場合があります。
もし相談も何もしていなければ「本当は解決できたのではないか」と思われがちです。
退職理由を聞かれた場合、「何とか解決しようと思って相談をしたが、そこから何も変わらなかった」と言えば、面接官にも納得してもらいやすいでしょう。
転職活動をする前に、上司や周りの人に相談をしてみることから始めるなど、解決するためのアクションをとっておきましょう。
仕事で少しも成果を出せていない
今の仕事に何も成果をあげていなければ、転職活動もうまくいかない可能性が高いです。
転職活動の面接では、「前職でどのような実績をあげたか」を聞かれることが多いです。
何に貢献して、結果どうだったかを言えないと、残念ながら雇いたいと思われません。
今の仕事がやりづらかったり、自分に合わないと思ったとしても、何かプラスに働かせた実績を出せるようにしましょう。
必ずしも難しい目標や壮大なことでなくても問題ありませんので、自分が組織に貢献できたことが何かちゃんと言語化できるようになるまでは、転職活動はストップしておきましょう。
まとめ
本記事ではHSPさんが転職回数が多くなりがちな理由と、転職をするべきではないタイミングについて紹介しました。
「HSPが理由で転職回数が多くなっているのではないか」と悩みを持つ方は、退職したいと思う原因を深掘りすれば、HSPという特性が理由かどうかわかります。
HSPでも問題なく働ける仕事や職場環境はあります。ただ今の職場がそうじゃなかったとしても、働きやすいと思えるように何かしら行動することもできます。
そもそも行動しても解決できないことや、行動した結果何も変わらなければしょうがないですが、解決に向けて自分でもできることはあります。
HSPだからといって我慢したり、自分に合った仕事や職場に出会うことを諦めたりしなくてもいいのです。
HSPである著者でも、自分に合った仕事と環境に出会うことはできたので、この記事を読んでいる人も諦めないで一緒に頑張っていきましょう!
転職回数が多いけど、なんとか転職活動を成功させたい!という方は以下の記事を参考にしてください。