HSPは繊細で傷つきやすい反面、怒りの感情も抱きやすい特徴があります。
表に出して怒ることは少なくても、心の中ではイライラが蓄積され、それが大きなストレスへとつながってしまうことも。
怒りの感情は心身ともにエネルギーを消耗するため、なるべく穏やかに過ごしたいと感じる方が多いのではないでしょうか。
今回は、HSPの方が怒りを感じやすい理由と、その感情をうまく和らげるためのヒントをご紹介します。
HSPは怒りっぽい?その理由
一見すると「気配りができて、めったに怒らない」と思われがちなHSPの方ですが、実は内面では怒りの感情が積もりやすい傾向があります。
なぜ繊細で思いやりのあるHSPが怒りを感じやすいのか、その背景を探ってみましょう!
周囲に過度に気を遣ってしまう
HSPは人一倍、他人への配慮を大切にします。
しかし、自分が丁寧に接しているのに対し、相手が無神経な対応をすると「こんなに気を遣っているのに…」と不満が膨らんでしまいがちです。
その結果、相手のちょっとした言動にも敏感に反応してしまい、怒りを感じることがあります。
細かな点に敏感に反応する
HSPは些細なことにもすぐに気がつくため、周囲のミスや雑な対応に強く反応してしまうことがあります。
たとえば、同僚の不注意を目の当たりにしたとき、「もっと気をつけてほしい」と感じてイライラしてしまった経験はないでしょうか。
自分が丁寧に行動しているぶん、他人の無頓着さが目についてしまいがちです。
感情を溜め込みやすい
ストレスが溜まっても「こんなことで弱音を吐いてはいけない」と自分を押さえ込んでしまうのもHSPの特徴です。
その結果、心に余裕がなくなり、些細な出来事にも過敏に反応して怒りを感じやすくなってしまいます。
さらに、自分は我慢しているのに周囲の人がすぐに弱音を吐くと、不公平感から苛立ちを覚えることもあります。
雑に扱われやすい状況にある
HSPの中には、頼まれごとを断れず、不要な仕事まで引き受けてしまう人もいます。
その場では「仕方ない」と受け入れていても、心の中では「また私ばかり…」と不満が積もりがちです。
次第に、頼まれること自体にネガティブな感情が芽生えてしまうこともあるでしょう。
HSPさんの怒りっぽい=短気ではない!
普段小さなことでイライラしたり不満が溜まったりしがちなHSPさんですが、だからといってHSP=短気ということではありません。
HSPさんの性質上、人より些細なことに敏感に反応することが多かったり、人に気を遣って色々な頼み事を引き受けたりしてしまったりするので、ネガティブな気持ちになりやすいことは仕方がないことです。
また、人よりも怒りをうまく外に放出できないため、余計負の感情が溜まりがち。
そのため、「少しのことでもイライラする自分の性格が嫌だな」と自分を責める必要はありません。
HSPさんの「怒りが収まらない」をなくす方法
HSPさんの性質上、怒ることが多いのは仕方がないとしても、ストレスになるためできるだけ抑えたいですよね。
HSPさんでもできるだけイライラや怒りを抑えて、平穏に過ごすためのコツについて紹介していきます!
怒りを言語化してみる
怒りの感情を言葉にすることで、自分の気持ちを客観視でき、冷静さを取り戻しやすくなります。
たとえば、仕事で同僚に軽い冗談を言われただけで「馬鹿にされた」と感じてしまい、心の中でずっとその言葉が残り、イライラが止まらなくなってしまうことがあります。そのまま感情を抱え込むと、イライラが長時間続いてしまいます。
そんなときは、「自分はいま、どんな気持ちで、なぜ怒っているのか?」を紙に書き出してみましょう。たとえば、「私は、◯◯という言葉に傷つき、『軽く見られた』と感じた」と書くだけでも、頭の中が整理され、怒りが少しずつ静まっていきます。
また怒りを言語化すれば、「実際に感じていたよりも大したことじゃないかも」と客観的に捉えることができます。
できるだけ気持ちの良い断り方をしてみる
無理なお願いを断ることは、怒りやストレスを溜め込まないために非常に重要です。
HSPさんは「断ったら相手が嫌な思いをするのでは」と気にして、自分の気持ちを犠牲にしてしまいがちです。しかし、気乗りしない誘いや頼みごとを無理に引き受け続けると、心の中で不満や怒りが蓄積され、結果的にストレスになります。
たとえば、職場で「急だけど今日中にこれお願い」と言われたとき、「わかりました」と引き受けてしまうと後からイライラしてしまうことも。そんな時は、「今日はどうしても外せない用事があるので、明日の午前中ならできます」といったように、できる範囲を添えてやんわりと断ると、相手にも誠実さが伝わり、自分の気持ちも守れます。
断ることは悪いことではなく、心の平穏を保つ大切なスキルです。
意識して人に頼ってみる
人に頼ることで、抱え込みすぎず、怒りの原因となるストレスを軽減できます。
HSPさんは、人一倍気を遣って無理をしてしまう傾向があります。
「仕事を誰かに依頼するぐらいだったら自分でやったほうが楽」と思いがちですが、自分よりも楽をしている周りの人にモヤモヤや怒りを感じてしまいます。
人に頼ることは、自分勝手なことではなく、仕事を円滑に回すために必要なことです。それを意識すると、「仕事上この人に依頼をするのが適切」と思えて仕事依頼がしやすくなります。
そのため、頼るのが苦手な人は、どんなに小さいことでも良いので誰かにお願いする習慣を作りましょう。
まとめ
HSPである私自身、イライラがなかなか消化できず、爆発するまで我慢してしまったり、気を遣う必要がない家族やパートナーにストレスをぶつけてしまうこともありました。
「またやってしまった‥‥」と後悔して、さらに自分自身にイライラしてしまうことが多く、メンタル的にも落ち込みがちでした。
HSPさんは他人軸で物事を考えてしまいがちですが、自分の精神を守るためには、「まずは自分の気持ちを一番に考えた上で、できる範囲で相手の要望にも答える」を意識すると良いでしょう。
生きていく上で色々な人と出会い、怒りや悲しい感情を抱えることは避けては通れません。ただ、他人よりも自分の感情を大事に考え、その上でどう立ち振る舞うのが良いか考えるのがおすすめです!